家庭の室内のサーモグラフィー

家庭の室内のサーモグラフィーをインプラスや遮熱カーテンの有無、エアコンON/OFF、浴室の床暖房ON/OFFの場合について測定した。インプラスでは普通の窓ガラスのみの場合と比較してインプラスによって約6℃、インプラス+遮光/遮熱カーテンによって約10℃の温度低減効果が得られ、浴室床暖房の温度制御は正常だった。

(The latest update: 2025年9月25日)

(The first upload: 2022年8月15日)

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部屋の断熱

室内外の断熱で重要なのが窓と言われている。例えば夏にエアコンによって冷房を効かせても窓の断熱性能が低いと冷房効果が弱くなる。ここでは窓に注目して断熱効果をサーモグラフィーによって測定した。

サーモグラフィーカメラでは色によって温度を表現しており、概ね白に近いほど高温、青に近いほど低温となる(温度設定は手動で可能)。

  • 外気温: 33~35℃
  • 冷房の温度設定: 25℃
  • 測定ツール: Flir C5 Thermal Imaging Camera

測定パラメータ

  • 窓のみ
  • インプラス
  • 遮光/遮熱カーテン

注)インプラスとは既存窓の内側に取り付ける内窓で既存窓との間の空気層によって断熱効果が得られる。

1)普通の窓ガラスのみの場合

この場合には窓ガラス内側の温度は35.2~37.2℃で最高37.2℃と測定されかなり高いことがわかる。窓ガラスに手を触れてもかなり温度が高いことがわかる。

2)普通の窓ガラス+インプラスの場合

この場合には、インプラス内側の温度は28.9~31.4℃で最高31.4℃と測定され、最高温度を(1)と比較すると5.8℃の低減効果が得られている。

3)普通の窓ガラス+インプラス+遮光/遮熱カーテン

この場合の測定結果を下図に示す。遮光/遮熱カーテン内側の温度は25.3~27.4℃で最高27.4℃と測定され最高温度を(1)と比較すると(1)の場合に比べて9.8℃の温度低減効果が得られている。全体が紫色なのはカーテンの遮光/遮熱による。

エアコンの効果

家庭の居室内のサーモグラフィーをエアコンON/OFFの効果について測定した。

測定条件

  • 窓+インプラス+遮光/遮熱カーテン
  • 外気温: 1℃
  • 暖房の設定温度: 22℃

エアコンOFFの場合

外気温1°Cであるが室内は外気温より高く、窓側カーテン内側で9.7℃、最低気温は5.7℃となっている。

エアコンONの場合

エアコンON後約50分後において最高気温は、窓側で20℃、最低気温は壁面で7.8℃となっている。

浴室の床暖房の温度制御

浴室の床暖房は冬場には有効であるが、ここではその温度制御に注目して正しく温度制御がなされているかを調べてみる。浴室(パナソニックのココチーノL-class)傍の壁スイッチをONにすると床暖房が温度上昇を開始して所定温度で停止後温度は下降する。この温度制御範囲は50℃~35℃となっている。

サーモグラフィーカメラで測定した浴室の床の温度は下の写真で32.6℃と測定されている。周囲は30.1~31.2℃と測定されている。

床温度が上昇して概ね上限に到達したときにサーモグラフィーカメラで測定した浴室の床の温度は下の写真で47.7℃と測定されている。周囲は31.4~32.7℃と測定される。

以上のような測定を約80分にわたって繰り返したときの結果を、Elapsed Time(経過時間)を横軸に、浴室の床の温度を縦軸としてグラフ化したものを下図に示す。壁スイッチの電源ON区間(0~67分)で約30℃から50℃近くまで上昇すると下降を始めて約35℃から再び上昇し始める。このことから、床暖房が正しく制御されていることがわかる。壁スイッチの電源をOFFとすると床暖房の温度は下降し始める。

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